
フィリピンで就職したいんだけど、最近ルールが変わったって聞いて不安で…
うん、実は2025年に外国人雇用に関するルールが大きく変わったんだよ。

実は私も直面していました。AEPの申請が伸びて、思わぬ足止めくらいました…

2025年、フィリピン政府が外国人雇用ルールを大きく改正しました。
特にAEP(外国人雇用許可証)とビザ申請のプロセスが複雑化し、就職希望者や現地企業に大きな影響を与えています。
この記事では、現地採用として実際にAEP申請を行っている筆者の体験も交えながら、「どこがどう変わったのか?」「今から何を準備すべきか?」をわかりやすく解説します!
- フィリピン政府が2025年に出した新しい省令とは?
- AEP申請・ビザ取得の流れはどう変わった?
- 今後就職する人が“知らないと損する”落とし穴とは?
この記事は、2025年4月にフィリピンの主要ビジネスメディア『Philstar.com』で報じられた記事をもとに、日本人向けにわかりやすく解説した内容です。
元になった記事:Changes and challenges: New hiring rules for foreign nationals|Philstar.com
この記事を書いている私は、フィリピンのセブで就職・転職活動を行い、WEBエンジニアとして働いています。
- フィリピンの日系IT企業に就職
- その後、フィリピンにある外資系IT企業に現地採用・転職成功
- 前職時に就労ビザ(9gビザ)申請&取得を経験
- 現地採用にて、PEZAビザの申請を経験
今回の制度改正では、まさに当事者として申請の遅延や手続きの複雑化に直面し、改めて「制度を正しく理解すること」の大切さを実感しました。
この体験を活かして、これからフィリピンで働きたい方が“損しないように” “ムダに時間を取られないように”、わかりやすく解説していきます!
目次
【2025年】フィリピンの外国人雇用ルールが変わった!

2025年、フィリピン労働雇用省(DOLE)は、外国人の就労に関する新しい規則「省令第248号(Series of 2025)」を発表しました。
Department Order No. 248(省令第248号)|DOLE
この省令は、外国人労働者に対する外国人雇用許可証(AEP)に関する最新ルールを定めるものです。
外国人労働者の雇用に対する審査基準や申請フローの厳格化が盛り込まれており、現地での就職や転職を考える人にとって大きな影響があります。
まずは何がどう変わったのか、ポイントをざっくり押さえていきましょう!
どんなルールが変わったの?【要点まとめ】
変更点の中でも、特に注目したいのは以下の3つ:
- AEP(外国人雇用許可証)の申請要件の強化
「経済ニーズテスト(ENT)」や「後継者訓練プログラム(UTP)」などが新たに追加 - 申請システムがオンライン&生体認証対応へ
「AEPMS」という管理システムが導入予定。AEPの偽造防止や申請状況の透明化が進む予定 - 求人広告の掲載ルールが変更
これまでは新聞だけでOKだったのが、「PhilJobNet」や「PESO/JPO」にも掲載必須に
AEP(Alien Employment Permit)とは?
AEPとは、フィリピンで外国人が就労するために必要な“労働許可証”のことです。雇用主(企業)を通じてDOLE(労働雇用省)に申請し、発行されるこの証明書がないと、正式に働くことができません。
フィリピンの場合はビザとは別に、このAEPを取得する必要があるのが特徴だよ!

DOLEによれば、2025年時点でのこの過去3年間で計192,573件ものAEPが発行されたとのこと。(様々な業種で就労する外国人に対して)
DOLE strengthens AEP Guidelines for the Employment of Foreign Nationals in the Philippines
それぞれの変更点について詳しく解説していきます。
AEP(外国人雇用許可証)の申請要件の強化
今回の制度改正では、このAEP申請に対して新たな審査プロセスが導入されました。
経済ニーズテスト(ENT)の導入
“The order introduces the Economic Needs Test (ENT) which assesses if hiring a foreign national will contribute to the country’s economic development.”
引用元:Philstar.com
これは、外国人を雇うことでフィリピン経済にどんなメリットがあるかを評価するテストです。
単に「人手が足りないから」ではなく、外国人雇用の意義を“経済的観点から”正当化する必要があります。
後継者訓練プログラム(UTP)と技能開発プログラム(SDP)の強化
さらに、企業が外国人を採用する際に、その技術やノウハウをどれだけフィリピン人スタッフに伝承するかも求められるようになりました。
- UTP(Understudy Training Program)
- 後継者候補に対して、外国人からのトレーニング計画を提示する
- SDP(Skills Development Program)
- 職場全体でのスキルアップ支援の体制を整えること
表向きには「スキルの伝承・教育の機会」という名目ですが、企業としては育成プランの書類作成や教育体制の整備が求められ、実務負担が増えているのが実情です…。
このように、外国人を雇うこと自体に対するハードルが明確に上がったのが、今回の制度変更の大きな特徴です。
AEP申請がオンライン&生体認証対応に!
“DOLE also highlighted the ongoing development of the Alien Employment Permit Management System (AEPMS), which will incorporate biometric procedures, technology-based measures and a data-sharing system with other relevant agencies.”
引用元:Philstar.com
DOLEによると今後、AEPの申請フローが“オンライン+バイオメトリクス(生体認証)対応”にアップデートされる予定とのことです。
これは、DOLEが開発を進めている外国人雇用許可管理システム(AEPMS)によるもので、従来の紙ベース中心だったAEP申請を、より効率的かつ安全に行えるようにする取り組みです。
AEPMS(Alien Employment Permit Management System)とは
AEPMSとは、外国人雇用許可(AEP)の申請をオンラインで一元管理できる新システムです。
- 指紋や顔認証などのバイオメトリクス機能付き申請管理システム
- 他の省庁(移民局など)とのデータ共有・連携も予定されている
一方で、現状以下のような注意点もあります。
便利にはなりそうですが、現場での運用はまだまだ時間がかかる気がします。。

求人広告の掲載ルールが変更
“One of the most critical changes from the order is the requirement for job advertisements to be published in three mediums: a newspaper of general circulation, PhilJobNet and the Public Employment Service Office (PESO) or Job Placement Office (JPO).”
引用元:Philstar.com
これまではフィリピンで外国人を雇用する場合、全国紙(a newspaper of general circulation)に求人広告を1回出せばOKでした。
これだけで、「このポジションに適任のフィリピン人がいなかった」という“証明”になっていたんです。
ところが、2025年の制度改正以降は、以下の3つの媒体すべてに掲載しなければならないというルールに変わりました。
媒体名 | 内容 |
---|---|
1. 全国紙 | 誰もが見られる全国紙などの新聞 |
2. PhilJobNet | DOLEが運営するフィリピン政府の公式求人ポータルサイト PhilJobNet公式サイト |
3. PESO / JPO | 地方自治体や大学などが運営する公共職業紹介所 ※the Public Employment Service Office (PESO)、Job Placement Office (JPO) |
これは、要するに「まずは国内(フィリピン人)の雇用を優先してね」というポリシー強化です。
つまり、「外国人を採用する前に、3つの公的な場所にちゃんと求人出して、国内に同じスキルを持った人がいないか確認しろ」という姿勢をより徹底させる流れなんです。
詳細要件と実務上の影響
- 掲載先が3つに増えたことで、手間もコストも上がる
- 公開期間(45日間)や記載内容(給料、勤務地、候補者の名前など)も細かく指示されるように
- AEPの“更新”でも求人掲載が必要に(これまでは不要だった)
私のケースでも、「もう一度求人広告を出す必要がある」と企業に言われ、申請スケジュールが変更されました。

掲載形式・書式・掲載期間まで細かく指定されるので、企業側にもかなりの負担です。
これらの変更は、単に企業や申請者の手続きが増えるだけでなく、外国人の雇用そのものが“フィリピン経済にとって意味があるか”まで評価されるようになったという点で、大きな転換点と言えるでしょう。
実際にどんな影響がある?

これ…思ったより面倒くさくなってない?
うん、正直めんどくさい。求人出す場所も3つになったし、AEP申請のハードルも明らかに上がったよ。

私自身も今回のAEP申請で、提出書類が増えたうえに、スケジュールもギリギリで変更になったりして、企業側と何度も確認し直すことになったんです。

私の申請状況も振り返っても、実際の現場では企業の対応が追いついていなかったり、DOLEや移民局との認識ズレが起きたりと、混乱している印象です。
制度改正による影響
- ビザ&AEP取得のハードルが確実に上がった
→ 書類の数・審査基準・提出先すべてが強化された - 求人広告の“3媒体ルール”が手間&コストに直結
→ 特にPESOやPhilJobNetへの掲載は、事前の準備が必須 - 企業も外国人本人も「準備不足」だと対応が遅れる
→ 早めに手続きに取りかからないと、出社スケジュールがずれる恐れも…
ここまで見てきてわかるのは、制度自体が“より正しく・公平に”を目指している一方で、現場での運用や周知はまだ完全じゃないということ。
これから就職や転職を目指す人にとっては、「知らなかった」では済まされないポイントが増えているというのが、今回の改正のリアルな影響です。
知らないと損する!AEPとビザ申請の新ポイント

新ルールによって、AEPとビザの取得タイミングや手続きの流れにも変化が出ています。
このセクションでは、制度上の“すれ違い”ポイントや、実際に戸惑いやすいポイントを整理しておきましょう!
国外からでもAEP申請が可能に!
“Another significant aspect of the new order is the provision allowing AEP applications to be processed while the foreign national is still outside the country,”
引用元:Philstar.com
これまでは、フィリピン国内に入国してからでないとAEPの申請ができないという運用が主流でした。
しかし今回の改正により、外国人がまだフィリピンにいない段階でもAEPの申請が可能になりました。
これはめちゃくちゃ大きな変化です!

え、それめっちゃ便利じゃん!日本から申請できるの?
そう!ただし、ちゃんと“労働ビザ(9g)”を取得して入国したあとじゃないと、AEPカードは受け取れないから注意してね。

つまり、「先にAEPの手続きを進めて、ビザが取れたら来比」という流れができるようになった反面、入国前にはAEPは発行されないという前提は変わっていません。
ビザ申請との“ズレ”に注意!
ここで問題になるのが、ビザ申請時にAEPカードの提示が求められるケースがあることです。
これは移民局(BI)側のルールで、「労働ビザの申請時にはAEPの提出が必要」とされる場合があります。
企業のHR担当者やエージェントによっても認識が違ったりして、手続きが前に進まないトラブルも実際にあります。
現時点でのおすすめアクション
- 申請手続きは必ず最新情報をエージェント or 現地企業と確認すること
- AEPと9gビザ(またはPEZAビザ)、両方のフローを並行で動かせるように調整しておく
- フィリピン到着までに、できることは前倒しで済ませるのが◎
これから就職する人にとっては、「入国までにどこまで手続きが進められるか」を知っておくことが重要です。
手続きが整っていないと、就労開始が数週間ズレるリスクも普通にあるので要注意!
事前準備で差がつく!就職・転職の進め方

新制度に対応するためには、「思い立ったらすぐ応募」ではなく、しっかり準備してから動くことが重要です。
このパートでは、今後フィリピンで働きたいと考えている人向けに、どんな準備をしておくべきかを解説していきます。
応募前にやるべきポイント
① 応募前に「書類の不備」がないかチェック!
新制度では、AEP申請やビザ取得に関わる書類の提出先・記載項目・タイミングがより細かくなっています。
- 学歴や職歴を証明できる書類(英文)を用意
- パスポートの有効期限を確認(6ヶ月以上が推奨)
- 雇用契約書に“役職・勤務地・報酬”が明記されているか確認
書類の記載内容を「なんとなくOK」で進めるのはリスクが高いので、事前にひと通り目を通しておくと安心です。

② 応募から内定後の流れを事前にシミュレーション
制度変更により、AEP申請とビザ申請の“前後関係”がさらに複雑化しています。
自分で調べるのが難しい場合は、以下のようなサポートを使うのも手です。
- 日本語対応可能な転職エージェント
- フィリピン現地の日系企業人事担当
- 信頼できるビザコンサルタント
③ 時間とお金の“バッファ”を確保しておく
書類追加やスケジュール変更など、想定外の調整が入ることも珍しくありません。
特に、求人広告の再掲載や、DOLEとのやりとりの遅れが生じると、入社時期が後ろ倒しになります。
- 少なくとも「1〜2ヶ月の準備期間」は見ておく
- AEPやビザに関わる手数料・掲載費用も想定しておく
「入社は◯月予定です」だけでは不十分で、制度面の段取りまで聞いておくことが大事です!

このように、「早めに調べて、聞いて、備えておく」ことが、今回の制度変更後ではより重要になっています。
フィリピン就職の準備や現地での働き方については、こちらの記事で詳しく解説しています👇
まとめ:フィリピン就職は「準備力」で差がつく!

2025年に施行された外国人雇用ルールの改正(DOLE省令248号)は、これからフィリピン就職を目指す人にとって、避けては通れない重要なポイントです。
正直なところ、フィリピンという国民性上、この省令にどこまで厳格性があるかはまだ不確実かなといった気持ちです。
ただ政府自身がはっきりと、「フィリピンにおける外国人の雇用を規制する」と明言しちゃっているので、フィリピン就職における敷居が多少高くなったのは間違いないかと思います。
本記事のまとめ
- AEP申請の審査がより厳格に(ENT・UTP・SDPの導入)
- AEP申請はオンライン・生体認証対応に進化中
- 求人広告は3つの公的媒体への掲載が義務化
- 国外からAEP申請が可能に(ただし注意点あり)
- 就職・転職活動には“制度を理解した上での準備”が超重要
私自身も現地でビザ申請やAEP取得を経験しましたが、今回のような制度改正があると企業側の対応も間に合っていないケースが多いのが現実です。

だからこそ、
- 早めに情報を集める
- 書類の準備は入念に
- 入社スケジュールは余裕をもって
この3つを意識するだけでも、トラブルや後悔のリスクはグッと下げられます。
就職準備に役立つチェックリストを最後に!
- 英文の学歴・職歴証明書を準備済み
- パスポートの残存期間をチェック
- AEPとビザの申請フローを理解している
- 求人企業と申請サポートについて事前確認済み
- 急な書類対応・渡航延期にも対応できる余裕がある
これからフィリピンで働こうと考えている皆さんが、安心して一歩踏み出せるよう、この記事が少しでも力になれば嬉しいです!
元記事はこちら:Changes and challenges: New hiring rules for foreign nationals|Philstar.com